群(Group)

空ではない集合Sの任意の元a, bに対し,Sの元cを対応させる法則を2項演算,あるいは2項算法という.記号表記すると,
S \times S\longrightarrow[15]S
または,
(a, b) \longrightarrow[15] a \cdot b = c
となる.

和や積は2項演算となる.



空でない集合Sに2項演算が与えられ,次の三つの条件を満たすとき,Sを群(Group)という.
a\cdot(b \cdot c) = (a \cdot b)\cdot c (結合法則[assosiative law])

Sに元eがあり,Sの任意の元aに対し,e\cdot a = a\cdot e = a (単位元eが存在する)

Sの任意の元aに対し,aに対応する元xが存在し,a\cdot x = x\cdot a = e (各元に逆元xが存在する.)


Sの元の個数を,Sの位数(Order)といい,|S|と書く.

Sが以下の条件を満たすとき,群Sを可換群(またはアーベル群)という.
a\cdot b = b\cdot a

整数全体の集合Z,実数全体の集合R有理数全体の集合Q複素数全体の集合Cは,和に関してアーベル群である.
また, R, Q,  C は積に関してアーベル群である.


そして,実数を成分として持つn次正則行列全体の集合
Rn , 有理数を成分として持つn次正則行列全体の集合
Qn , 複素数を成分として持つn次正則行列全体の集合
 Cn , は, 行列の積に関してアーベル群である.この三つを一般線形群という.